プリスクール(YPK)は福島と西ノ内でサマースクールを行うのに、YIS(ワイズイマージョンスクール)に夏のイベントが何もないのはつまらない!ということで、急遽企画がまとまりました。
8月1日(水)、2日(木)の2日間、企画・その1として、日本の伝統芸能の一つである「和紙」について学びました。
ワイズスクールの教育が目指しているものの一つに、「自文化への敬意と他文化の尊重」というものがあります。
もう何度も書いているようですが、自分の帰属している文化への深い理解と尊敬の念がなければ、他の文化を本当の意味で尊重することはできません。
何が「日本の文化」か、という問題はまた別の問題として、ワイズで英語を学ぶ小学生たちに、夏休みのような特別な時期を利用して、少しずつ「日本の文化」を体験として学んでほしいというねらいから、今回の企画・その1は生まれています。
初日、子どもたちは朝9時に登校し、ジュリアン先生と一緒に「和紙(Japanese Paper)」について英語で学びました。
「和紙」の原料が、楮(kozo)や三椏(mitsumata)と呼ばれる植物であることを知りました。そして、その気の遠くなるような工程を学びました。一部の専門用語は、子どもたちにとって、日本語でも耳にするのが初めてでした。日本語と英語の両方で確認しました。
さて、予習はこのくらいにして、いよいよ実際に和紙作りを体験できる「二本松市和紙伝承館」へ出掛けました。
この日、上川崎和紙についていろいろ教えてくださったのは、和紙職人の佐藤さんです。御年73歳の佐藤さんは、15歳の時から和紙を作っていらっしゃるそうです。(なんと、職人歴58年!あと2年で還暦ですよ!)
佐藤さんは、子どもたちを前に、一つ一つ丁寧に、現物を見せながら説明してくださいました。上川崎和紙の原料は楮です。伝承館の裏は、一面の楮畑でした。
トロロアオイという植物が和紙作りに欠かせないことも知りました。何時間も何時間も煮詰めて、手作業で塵や汚れを取り除いて、ようやくいわゆる「和紙漉き」の工程に辿り着くのです。
お話のあと、いよいよ和紙を漉かせていただきました。子どもたちも(ジュリアン先生も)、真剣そのもの!佐藤さんのお話をしっかり聞きながら、上手に漉くことができていました。
和紙漉き体験のあと、実際に上川崎和紙を使って、「うちわ」作りに挑戦!専用の顔料を使って和紙を染めていくのですが、A.T.ちゃん、手を真っ青にしながら夢中で取り組んでいました。
その人それぞれの色の選び方、染液を染み込ませる時間や液を絞る力加減、などなどの理由で、同じものは二つとできないそうです。
そんなオリジナル「My うちわ」を完成させたところで、ハイ、チーズ!!
最後は、お弁当を食べて帰って参りました。M.H.ちゃんのお弁当の大きさに全員がびっくり。それを平らげちゃうM.H.ちゃんにもびっくり!
そして、帰りの車中でもお菓子をパクパク・・・。ジュリアン先生とジャンケンで遊びながら帰ってきました。
2日目は、いよいよ今回の和紙作りを英語でまとめていく作業に入りました。
昨日の作業や佐藤さんのお話を思い出しながら、和紙作りの工程を動詞一語で表現していきます。その後、1枚の画用紙に、文章と写真で、和紙についての調べ学習のまとめを制作しました。
ちょっと即席ではありますが、一つの立派な自由研究となったのではないかと思います。
本来プリスクールの卒園児を受け入れてあるべきワイズイマージョンスクールですが、現在在籍している子どもたちの中で、プリスクールで学んだ経験のあるお子さまはおりません。
ワイズで学び始めて丸2年を経過している子もいれば、つい最近学び始めた子もいます。小学生は意外と多忙で、毎日通える子はゼロ、多くて週3日です。
そんなYISの実情ですが、限られた時間・日数の中で、それぞれのお子さんが、それぞれのペースで学び、英語をコミュニケーションの「道具」として身に付けていってくれたらいいなと願っています。
さてさて、ランチタイムは、お楽しみクッキングです。ジュリアン先生のお国(メキシコ)料理、「タコス」を作りました。
メキシコでは、トルティーヤに肉や野菜を挟んだ料理を広く「タコス」と呼んでいるようです。
今日のタコスは、牛肉・フライドポテト・アボガド、そこに唐辛子のペースト(とてもいい香り!)で辛味を調節して、いただきました。
肝心要のトルティーヤですが、その主原料となるトウモロコシ粉(乾燥マサ)は、少なくとも郡山市では手に入れることが大変難しく貴重な粉です。ジュリアン先生はお国から送られてきた本物の「マサ」を持ってきて、子どもたちに見せてくださいました。
また、トルティエロという専用の道具を使って焼き、まさに本場の「タコス」を味わうことができました。
YISサマー企画・その1、あっという間の2日間でした。
子どもたちは、短時間でしたが、「和紙」という日本の伝統芸能に触れ、学ぶことができました。今後もこのような学びと体験の機会を提供していけたらいいなと思います。
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